オルテガ『人に流されることがどれだけヤバいか教えてやる』/大衆の反逆

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Geminiによる要約:

この動画では、スペインの哲学者オルテガが著書『大衆の反逆』で語る「人に流されることの恐ろしさ」について解説しています [02:03]。


オルテガについて

オルテガは1883年にスペインのマドリードで生まれ、ジャーナリズムの家系に育ちました [02:17]。幼い頃から聡明で、7歳で『ドン・キホーテ』を暗記していたという逸話もあります [02:31]。大学では哲学や法律を学び、ドイツに留学してカント哲学を学びました [02:37]。27歳で大学教授となり、同時に新聞に世の中の出来事を論じる記事を書く評論家としても活動しました [02:48]。彼は専門家としてだけでなく、様々な物事に対して自分なりの答えを持つべきだと考えていたためです [03:01]。


「私と私の環境」

31歳の時、オルテガは「ドン・キホーテを巡る思索」という冊子の中で、「私とは私と私の環境である。もし私の環境を救わないなら、私も救えないのだ」と述べました [03:24]。これは、人間は環境によって成り立っており、自分を変えるには環境を変える必要があるという考え方です [03:38]。彼は、人間は自分の居場所と役割を認識し、それを果たすことを考えるのが本来の姿であるとしました [04:47]。


大衆化と『大衆の反逆』

しかし、近代に入り産業が発達し都市部に人々が集中した結果、居場所を持たない人が増え、近代人は大衆化してしまったとオルテガは考えました [05:03]。彼は、そうした大衆は自分で物事を考えず、簡単に熱狂し、間違ったものを正しいと信じてしまうようになるとし、『大衆の反逆』を発表しました [05:15]。オルテガが生きた時代には、イタリアのムッソリーニやドイツのヒトラーといったファシズムが台頭し、多くの人々がそれに熱狂していました [05:27]。彼は、人々が地元を離れて都市部に集中したことで、歴史や伝統が軽んじられ、根無し草のような大衆ばかりの世界になったことが、暴力的な独裁政治の台頭につながったと考えていました [05:40]。


大衆の特徴

オルテガが大衆と呼んだのは、「個性を失い、周りの意見で自分の意見を決める、誰が誰だか区別もつかないような群衆と化した人々」のことです [06:05]。彼らは人と同じであることに喜び、人と違うことを恐れる傾向があります [06:43]。

大衆は、常にみんなと同じ選択をするため、自分が常に多数派であり、自分が正しいと信じるようになります [07:54]。社会が豊かになり選択肢が増えた結果、人々は自分で物事を選択できなくなり、多数派の奴隷のようになってしまったとオルテガは指摘しました [09:05]。

また、大衆は他人を頼ることができなくなり、孤立していくと言います [09:40]。人との交流がなくなると、自分の間違いに気づく機会が減り、「自分に自信だけはあるバカ」ができてしまうと警鐘を鳴らしました [09:46]。


独裁政治への繋がり

大衆がなぜ独裁政治に繋がるのかというと、大衆はみんなの真似をしようとしますが、その「みんな」の基準は、ごく一部のカリスマ的な人物から始まります [12:11]。一部の人がカリスマに熱狂することで、その思想が徐々に広まり、みんなが同じように行動するようになるのです [13:02]。オルテガは、自分で決められないから人に追従するという行動の結果、断定的に物を言う人物が支持され、独裁政治に繋がったと考えました [03:20]。


過去への恩恵を忘れる大衆

オルテガは、大衆のもう一つの特徴として、過去への恩恵を忘れていることを挙げます [13:50]。私たちは過去の努力や歴史の上に現在の平穏で快適な生活を享受していますが、大衆はそれを忘れ、安易に打ち捨てようとすると言います [14:03]。歴史を学ばない大衆は、過去の人々が試行錯誤して得た成功や失敗の経験を無視し、同じ過ちを繰り返してしまうのです [15:33]。彼は、大衆的な思考は現代人を野蛮人に変え、ファシズム的な思考にいきつくと警告しました [16:01]。


大衆でなくなるためには

オルテガは、大衆でなくなり精神的な貴族になるためには、以下の要素が必要だと述べました [17:03]。

  • 勇気と責任感を持つ
  • 歴史を学ぶ
  • 自分と違う意見にも聞く耳を持つ

歴史を学び、過去の成功と失敗を理解した上で、自分で物事を判断し、その判断に責任を持つことこそが、真の自由であり、人間のあるべき姿だとオルテガは説きました [17:24]。

この動画は、オルテガの『大衆の反逆』の思想が現代にも通じる普遍的なものであることを示唆しています。現代社会は選択肢が多すぎるがゆえに、人々は自分の判断に自信を持てなくなり、他人に流されやすくなっています。その結果、自分で学ぶ意味を失い、断定的に物を言うカリスマ的な人物に安易に流され、歴史を繰り返す恐れがあるため、個人が学び、自分の判断基準を持つ努力が必要であると結論付けています [17:46]。

大衆の反逆 (岩波文庫)

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